ディプロマシー"盤面構想1"
この記事では、自分が昔に読んだことのある、ディプロマシー関連のブログから抜粋した内容を、うろ覚えで書いていきます。
今回は、「ディプロマシー正規マップの形はドーナツ状である」という話をします。
ディプロマシーの移動不可地域はいくつかありますが、その中で特異なのがスイスです。
他の地域は島であることが多く、補給拠点に隣接しない空白の土地は価値が非常に下がることから妥当であると言えますが、スイスだけは違います。
スイスは、「永世中立国だから」という理由になっていますが、プレイイングに非常に大きな影響を与えていることは間違いありません。これが無ければ伊独間はもっと緊張しますし、独仏間の戦争は激化しますし、東欧から西欧へのGSL突破に大いに寄与したことでしょう。
さて、実はもう一つ、特異な移動不可地域がありますね。想像つく方もそれなりにいるでしょう。盤の外側です。盤の外側も一つのマスと捉えると、Stp、Mos、Sev、Tunに隣接した、スイスのような移動不可地域と捉えることが出来るわけです。
今の正規マップでは、スイスが中央側、盤の外側が外側にある訳ですが(当たり前)、これをドーナツ状に見立てて、そのドーナツを外側と内側が入れ替わるようにひっくり返す…ホースを回転させるようなイメージでしょうか、そのようにひっくり返すと、新しい外側にはMun、Bur、Mar、Pie、Tyrが並び、新しい"内側の穴"にはStp、Mos、Sev、Arm、Syr、Eas、Ion、Tun、NAf、MAt、NAt、Nrg、Barが隣接したような盤面が出来上がるはずです。
もしこういう盤面とするのであれば、見た目的には英露土は内側の穴付近にいるように見え、独は外側にいるように見えると思います。(墺仏はあまり変わらないと思いますが…)
ここで言いたい話は、「スイスも盤面端であり、それを背にすることは強い」ということです。
盤面端は、地理的に強い端国同士を戦争させるために、マス目を大きくとっています。それでも13マスが隣接していますが。それに対してスイスは5マスが隣接しています。その差が、スイスの盤面端としての影響を小さくしているのだと思います。
ということを考えると、中央国の定義って何でしょうか。独伊は本当に中央国なのでしょうか。
真の意味で中央国と呼べるのは、墺だけなのかもしれませんね。
他に失われた記事で、少し記憶に残っているものは書いていこうと思います。
ディプロマシー"外交術"
久々にディプロマシーを観戦していて思ったことですが、「外交術を書いたディプロマシー記事ってあんまり無かったな」という点です。
自分は自分なりに「こうした方が信用されるんじゃなかろうか?」「こうすれば裏切りを仲間内だけで秘密にできるのでは?」と探りながらプレイしていたので、その術を書けるだけ書いてみようと思います。
①外交量をなるべく等しくせよ(特に近隣国)
そもそもディプロマシーの外交というのは、敵対宣言をすることはほとんどなく、友好的な関係を作り、行軍を合わせていくために使用されます。
しかしその結果、特にボイスチャット卓等で顕著なのですが、近隣国とのすり合わせに時間を使いすぎてしまう、というケースが散見されます。
話したいのは分かるのですが、他多数の国との外交交渉無しでは盤面全体をコントロールすることなど到底不可能です。
なので、友好国とはあらかじめ(行軍処理中とか撤退フェイズ中、増設フェイズ中に先読みなどで時間確保して)行軍案を考えておき、それをすり合わせて時短する。あるいは、必要な情報が不足しているならそれを収集した後に友好国と話すようにすることで、無駄な時間を使わないようにしましょう。
この結果、他国の誘導や裏切りも含めて、比較的意図した外交と行軍ができるようになっていきます。
尚、書面での卓の場合だと、長文外交はいくらでもできる上に相手の外交の様子が見えない場合が多いですが、外交量が少ないと「組む気がないんだな」と思われがちです。話すことが少ないと感じたならば、例えば第三国の印象や情報を交換して、"相手と組んだ場合の"将来的な計画を話しておきましょう。
さらに、これは若干番外戦術なのですが、書面の場合に外交可能時間をあまり大っぴらにしない方が良いです。「外交可能なのに何も言ってこなかったな」「他の国に時間を使ったんだな」と思われると自国にとってマイナスとなります。少々手間ですが、一国一国、次の外交予定や回答予定時間を連絡した方が、わずかながら勝率は上がるでしょう。
②流す情報は厳選せよ(特に遠方国)
遠交近攻とは言いますが、しかし対称国は、中央三国同盟なども含めれば必ずどこかで繋がります。通常マップなら、
英━墺━独━伊━露━仏
┃
土
になります。ここに若干、英伊、英土、仏墺、仏土、などが加わります。
つまり、軽率に流した情報が、巡り巡って全プレイヤーに知れ渡っていた、ということはあり得るということです。
例えば、露土でジャガーノート(露土)を画策し、それを土が独に流すとします。独は危険性を察知し墺伊に知らせ、キーレパント(伊墺)を誘発して拮抗して意味が無くなる、という訳です。更に英独が同盟すれば、状況は完全に敗戦濃厚になります。
上記は極端な例ですが、他にも色々挙げられます。個人的に1番厳しいのはミュンヘンギャンビット(秋の祭典ならマシ)です。ミュンヘンギャンビットでは伊独間で合意して対仏を計画しますが、伊の初手はチロルアタックになりますし、独の初手はMun-Ruhなどの方が安定します。この時伊は対墺、独は親仏に見える訳ですが、墺に説明すべきかどうかかなり悩みどころです。説明した場合、仏の生存を強く意識する墺なら情報を仏に流すでしょうし、逆に英の伸長と独の生存を重視する墺なら黙っているでしょう。説明しなかった場合、墺の不興を買うのは間違いありません。英に説明した場合でも、対仏姿勢でない英を対仏に誘導するつもりだったとしても、説明すれば墺には情報は流れる訳ですし、なんなら土経由で情報が流れることもあります。
「このプレイヤーは情報をどう扱うのか?」は、常に意識し、上手く情報をコントロールしたいところです。ただし、ここで言う「情報のコントロール」とは、情報を秘匿することを意味しません。特定の相手には真実を伝え、特定の相手にはのらりくらりと核心を避けつつ話し、あるいは全力で騙すつもりで誤情報を流す。しかし、気をつけないといけない点は、①で話した通り外交量は常に多いことをキープすることです。(あくまで理想です。できないことはある。)
③情報の収集を怠るな
外交の"感触"というものは、同盟/裏切りなどの判断や、戦略的判断において、馬鹿にできない要素だと思います。逆に言えば、会話の節々に漏れ出す要素や、外交量、発言の(戦略/戦術的な)妥当性などといった複合条件をもとに、相手の真偽を判断します。
「あのプレイヤーはこのプレイヤーのことを悪く言っていた。この点の考えが合わないのかもしれない。」「この点を気にしやすいプレイヤーらしい。こういうことに気をつけよう。」
意識していてもしていなくても、そういうことを自然と考えると思います。
ここで必要になるのが、自分個人の視点だけではなく、多角的な視点です。
なので、第三国に対し特定の国の意見をそれぞれ聞いておくだけでも、相手の外交や戦略のスタンスを知るきっかけになったり、あるいは書面での卓なら外交量が見えてきたりします。これが、自国が孤立しそうなのか、あるいは大同盟の一員となれているのかの判断の分かれ目になったりします。私の場合は、特定の国に対する第三国の印象の質問が被る(つまり、聞いて周り過ぎる)と、その「聞いてまわっていた」と言う情報が特定の国に対し警戒感を与えてしまうので、割とざっくばらんに相手を変えて聞いたりすることがあります。
また、そう言った曖昧な感覚だけでなく、直接的な実利も得ることが可能なので、情報の収集を欠かしてはいけません。初手であれば、Bla、Gal、Eng、Bur、Tri & Ven、Swe、Gre、Belと言った、複数国が絡む地点の状況を何と言うか、とか、増設の約束はどうなっているか、などです。そういったことを聞いて、盤面と外交を突き合わせてからどことの同盟が最も上手く行くのかをよく考えましょう。遠方国の動きも、まわりまわって自国に大きな影響を与えるゲームなので、アグレッシブに聞いていくことが推奨されます。
ただし、突っ込みすぎて内政干渉が鬱陶しいと思われないようには注意しましょう。
④方針は明確に打ち出せ
ディプロマシーをやっていると、どっちつかずの行軍や外交をよく目にします。基本的には、自分が同盟と考えているプレイヤーには、しっかりと協力できる、強固な同盟関係を築いて欲しいはずです。なので、中途半端な外交と行軍は、だんだんと信用を失っていきます。
ターンごとの環境、さらには同一ターン内でも外交のやり取りによって、刻一刻と状況が変化していくため、もちろん行軍が出るまでは分からないことは多いです。ですがその疑心暗鬼の中で、芯を持った提案を持ってくるプレイヤーは、自然と信用度が上がります。そもそも提案があやふやだと行軍を決定できませんので、「そんな状態で持ってこられても困る」というのはあるでしょうが。
その提案がすんなり受け入れられないにしても、意図を説明し、それを叩き台として修正すれば、スムーズに交渉を終えられます。「すんなりと合意できた」という感覚があると、信用が高まると思っています。
⑤時間を味方につけよ
これは、卓の種類によってやり方が大きく変わりますが、大筋は変わりません。
対面あるいはボイスチャットのような、限られた外交時間の場合、外交時間をいかに有効活用するかが大事です。これまで話した全て…もちろん同盟にも、情報収集にも、そして裏切りにも外交時間は必要です。
外交が始まってから、会話をしつつあれこれ考えると、あっという間に時間は過ぎていきます。そして、同盟国としか外交できなくなります。その結果、裏切ろうとしても他国と連携が取れず、遠方国の情報もなく、その上で相手からは一方的に裏切られたりします。
なので、行軍処理中、あるいはその前段階から盤面を予想しておき、先にぼんやりとで良いので作戦を立てておきます。行軍が公開されたら修正や練り直しを即座に行い、自国の方針をある程度決めておきます。方針決めに必要な他国の情報があるのなら、外交開始直後に集め、裏切るのであれば外交時間半ばまでには新たな同盟国とは話をつけましょう。今までの同盟国と先に話してから、裏切り後の同盟国と話をする場合、「口裏合わせをしていたんじゃないだろうか?」という疑念が相手に生まれます。なので、裏切りの宣言が必要な相手には、遅くならないうちに会話しておく必要があります。
⑥相手の嘘を見抜け
これは難しい問題ですが、コツを掴んでいれば成功率の底上げができるかと思います。
以下の要素は、ディプロマシーにおける「嘘の片鱗」です。
・レアケースに頼る
そんなこと滅多に起きないのに、あたかもそのケースに対応できる「良い手」であることを演出する
・迂遠な策を使おうとする
直接的に、単純に物事を行おうとすれば良いものの、わざわざ遠回しに言ったり、あるいはそういう行軍や外交を提案する
・相手方(提案した側)にメリットがない(ように見える)
こちらにとっては利益があっても、提案した側にメリットが無いのなら、それは非現実的な提案となる
・デメリットを全く説明しない
あからさま過ぎて説明しない、というケースもあるので判断は難しい。交渉は売り込みでもあるので、デメリットは説明しにくいが、それでも何も言わないというのは疑いの要素になる
逆にいえば、これらの外交は信用を失うような「悪手になり得る」ことを把握した上で、必要に応じて使いましょう。
外交がしっかり出来ていなければ、いくら行軍スキルが高くとも、ディプロマシーで勝つことは難しいです。相手の癖や思考を見抜いて、隙をつくというプレイの応酬が、ディプロマシーの上級者の駆け引きだと思っています。
ディプロマシー"戦略論"
初めに、このブログを書いてきた理由と近況について触れておきます。
元々自分は、ネット上に散らばっていた情報を寄せ集め、自分なりに解釈を加えて利用できる状態にすることで、ディプロマシープレイ時の助けにしていました。
そうやってプレイしていく中で、「こういう知識ってまとまってないな」と思い、思考をまとめつつ、趣味としてブログを作り始めたのがきっかけです。もちろん、ディプロマシーをプレイする方々の助けとなり、より白熱したプレイイングが見られたら嬉しいというのもありました。
あれから何年か経ちました。この記事を書いている途中に、エビデンスとしていた、過去様々なサイトで戦術論に触れている記事がネット上から失われていることが分かり、ちょっと絶望しています。(このブログの過去記事もいくつか消失しているようです。ネット上のデータも失われていくという時代を感じます。)
自分の戦略・戦術や記事は、そういった様々な人の思考を集約した上で現代向けにアレンジを足して、自分好みの味も加えて仕上げたものです。
それらのサイトはもう見つからないでしょうが、このブログは「過去こんなことを言っていた人もいたんだ」と、いつか読まれるくらいには"制覇できずとも、滅亡せず生存して"ほしいものです。
さて、本題。
ディプロマシーにおける対称国の関係や、各種同盟のパターンについては、過去記事にも記載していますが、本記事ではさらに大きな枠組みで考えた時のパターンについても記載しておこうと思います。
1.制覇に至るには?大前提:GSLを突破せよ
GSL(グレートステイルメイトライン)は、(1)そのライン内に17拠点(以上)が入っていること、(2)そのラインの形成に17軍以下(少ないほど強い)で構成できること、(3)ライン外からの攻撃を完全に防げること、この3つが満たされているものを指します。
この17と言う数字は、制覇に必要な拠点数の過半数18より1少ない値です。GSLは、「盤面を二分する引き分け線」であり、これを突破できなければ制覇はあり得ません。
現状良く知られているGSLは、露のMos-Stp間の線から始まり、Tyrを経由してNAfまで到達する東西GSLです。


Mは陸軍海軍どちらでも良いことを表しています。
東側の最小軍数が11、西側が13になります。
必要となる軍の数が最も少ないGSLとして知られており、それは即ち最も突破しづらいGSLであるということです。
軍を増やした絶対防衛ラインがこちら。


東側ではWesやGoL、Tusは突破されてもギリギリ大丈夫ですが、Tyrが落ちるとBohが落ち、Bohが落ちるとWarが保ちません。西側では、MAt以外は補給拠点なので確保必須で、MAtは落ちても良いですが、必要な軍数が一気に増えます。
なお、GSL突破にはMunとTunがやりやすいと言われています。次いでWarや南仏(Mar、Spa)、可能性が低いところとしてStpやTyr周辺(Vie、Tri、Ven)となると思います。並べられる軍の数や、突破後の維持のしやすさでこの辺りが変わってきていると思われます。
次いで、仏領をMar,Spa,PorとPar,Breの南北に分けた間の線から、スイス、Galを経由してSevの南側の線に繋ぐ南北GSLがあります。


また、南北GSLはもう1パターン、そこからMarが北側、Sevが南側になるパターンがあります。


特に絶対防衛ラインは書きませんが、制覇/停戦を目標にしている方は、この最終形を突破できるように/形成できるように、制覇/停戦の駆け引きを行っていくことになります。
そしてこれはGSLではありませんが、ジブラルタル海峡は大西洋側からは3軍、地中海側からは4軍で封鎖できます。


これも戦略上大事な引き分け要因の1つとなっています。
他にもGSLはあると思われますが、軍数が多いものになる=GSLとしては弱いものになるため、割愛します。(暇があれば考えてみます。)
ここまでの話を1つに書くのであれば、「東西/南北GSLや(海域が必要なら)ジブラルタル海峡を、他国の防衛線が完成する前に突破する」というのが制覇の必要条件となります。
言い換えると、「和平を望む勢力がGSLの向こう側に揃う前に突破する」ことが必要です。
まあ、それが難しいんですけど。
2.制覇に至るには?自国を成長させよ
そもそも、制覇に至るためには、他国を上回るほどに成長する必要があります。この道筋は2種類あり、またはその両方となると考えています。
①東西GSLの同じ側の隣接国家と長期同盟(通常2国間での同盟)を結ぶ
特に東西GSLは、GSLの中でも必要な軍の数が少ないことから、突破が難しいラインであることは説明しました。これを2国で成長しながら同GSL内の他国を滅ぼして、さらにGSLも突破するという流れです。
2国長期同盟は成長スピードが衰えにくく、裏切らなくて良いので精神的にも安定しやすいですが、その分、特に初手あるいは序盤において、如何に長期同盟を成立させるかが外交のキーになります。
有力な組み合わせを挙げておくと、英仏・英独・仏独・伊墺・墺土・露土が中心で、後は可能性はあるが低い組み合わせとして英露・独露・露墺・伊土があります。後者の場合は、後述の対称国の成長も必要となる可能性が高いです。
なお、2国長期同盟を劣勢な近隣国の身で止めたい場合は、離間させやすくする為の方策として、一方の国相手には必死に防御して利益を与えず、他方の国にはほぼノーガードにするというのが一つの策です。これにより同じ成長を辿れなくなれば、拠点数が少ない国が同等以上に成長するために裏切ったり、逆に拠点数が多い国が趨勢を決めるために裏切ったりします。そこが付け入るチャンスになります。
②対称国を育て、近隣国との裏切りを繰り返して成長する
対称国が大きくなると、その近隣国は対称国に対して防衛や攻撃のために軍を割かざるを得ません。結果として自国の進軍は成功しやすくなります。近隣国をそそのかし、同じように対称国の方を向いている別の国に仕向け、その両方から拠点を得ていきます。対称国が劣勢の場合、近隣国から裏切りで拠点を奪っていっても、そのうち包囲されて元に戻されます。元に戻されないためには、対称国の成長が必要です。だからこそ、挟撃をせずとも対称国は重要です。
例えば、ジャガーノート(露土長期同盟)が成立した時、英独墺伊は対応に追われます。この時仏が一時的にでも英独離間に成功すれば、英独から拠点を奪っていき、仏露の前線の軍の数と英独の前線の軍の数で押し勝てば、もう後はすり潰すだけです。
別の例としてスチームローラー(英仏長期同盟)なら、独伊露が対応に追われます。よって墺土に利があると言えるでしょう。
なお、対称国との成長速度差には注意が必要です。補給拠点数において、自国が下回っている時にはもちろん急がねばなりませんし、対称国が下回っている場合も差が大きいとGSLを突破前に引かれかねません。対称国より若干成長が早いくらいがベストでしょう。
この①と②がその時その時の盤面でどうなっているか、よく見極めながら同盟を組んだり、同盟を裏切っていくことになります。よって遠方国の情報は、ダイレクトに盤面に効きます。聞き逃さないようにしましょう。
3.制覇に至るには?和平停戦を許すな
盤面が戻らずに進行していくようになると、滅亡に近づいていく劣勢な国が出てきます。この記事では制覇に至るための道筋を説明するので、幸運にも自国が成長できた時のことを考えます。
この劣勢な国とは必ず外交を行った方が良いことに繋がりやすいです。ただし、外交が成功に繋がるのは、その劣勢な国が「生存を狙う国」であって「和平停戦を狙う国」ではありません。
この2つの国のタイプは、最終目標こそ同じですが、行軍や外交の選択は大きく変わります。
①生存を狙う国
とにかく今は生き延びて、いつか和平停戦が成る時まで生き延びることを重視するタイプです。
もちろん、遠方国の外交では最終的な和平停戦に向けた動きを見せることが多いですが、強大な近隣国にはなんとかして生き延びようと擦り寄ります。
大国の傀儡政権として、先陣を切ったり支援を出す役目となります。大国側は、滅亡させると軍は自国での再生産になりますから、傀儡政権となった小国を言いなりに動かすことは、前線の軍を一気に増やし、また実質的な拠点数も一気に増えたような形になります。
ただもちろん、もし自国が制覇しそうだったり、和平停戦が狙えるようになったり、あるいはひょっとして拡大できるチャンスが来たりするのなら敵側に回ることもありますので、その時はしっかりと滅亡させるなど、あくまでも一時的なものと割り切って動かす必要があります。
②和平停戦を狙う国
最初から和平停戦を狙ってくる相手の場合は、「成長して制覇したい」自国と、「盤面を膠着させて停戦したい」小国では利益が相反します。
そのため、どんな外交をしても、まず自国の意に沿った動きはしてくれません。ほぼ無意味になります。
外交面でも、他の小国を集めて和平停戦に向けた交渉を始めるため、邪魔にしかなりません。
劣勢な国相手というのは、滅亡させた方が得になることが多いのですが、一時的に利用できるのであれば利用する。それは、次の「夢を見せる」話に繋がってくるところです。
4.制覇に至るには?他国に夢を見せよ
長期同盟や対称国の活躍で、自国が成長でき、残り3、4カ国になったとき。ここまで来るだけでも「ああ、頑張ってここまで来れたな」と思うかもしれません。
しかし、ディプロマシーは最初からクライマックスで、最後までクライマックスです。つまり、少しのミスで制覇の夢は消え停戦となったり、あるいは被制覇に至ります。
ここからは、定石は通用しません。対称国も簡単に敵に回ります。その場その場で枠組みを考え、GSLを引かれないよう各国を制御しつつトップに躍り出る必要があります。
その中で大切なことは、他国に夢を見せることです。制覇を夢見る国が、拠点数の半分を超えているならば、まだまだ盤面には変化が訪れたり、あるいは変化を作れたりします。隙をつけるように機を伺い、機を作っていく必要があります。
それは、時に信頼できる"友"を裏切ることになるでしょう。しかし、その"友"はあなたと同じく1プレイヤーとして、制覇を目指す"敵"でもあるのです。制覇という目標の前には、"友"も"敵"もありません。行軍の結果だけが残ります。
なので、大事なことは、成長した国々の間で、個別にどのような最終盤面を目指すか話をして、相手の見ている「制覇の夢」の具体案をこちらの脳内で想像し、それに誘導しながらこちらの勝ち筋を見つけることです。
もし小国が残っているなら、「和平停戦に至る可能性」「生き残る可能性」が、夢になることはあり得ます。ただ3.で書いた通り、「和平停戦に至る夢」を強く持っている相手は、邪魔になります。その場合には、話をしながら相手の意図や行軍を探ることになるでしょう。
ここで理解しておかねばならないのは、「他国の制覇(=被制覇)の可能性を上げなければ、自国の制覇の可能性が上がらない可能性が高い」ということです。そういう意味では、近隣国の長期同盟も理論は同じです。
このお話はここまでです。外交の手法や、全体の枠組み、記憶にある過去記事(まとめにくい雑多諸々の話)については、また今後書こうと思います。
自分の思考を垂れ流すと不利になるのですが、今後のディプロマシープレイヤーの方々の助けになり、より高度なディプロマシーを見られることになれば嬉しいです。
【初心者向け】ディプロマシー ルール
随分と前の下書きが出てきたので、書き上げて供養します。↓
今更ですが、ディプロマシーのルール説明を書いておこうと思います。超初心者向けで書きます。
◯ディプロマシーとは
ディプロマシーは、第一次世界大戦を舞台に、欧州7カ国に分かれて覇を競う陣取りタイプのボードゲームです。
英語「diplomacy」は、和訳すると「外交」という意味で、貴方は各国の外交官として、自国が有利になるよう交渉をしていく事になります。

目標はマップ内の「補給拠点」の過半数、18拠点を取得し制覇することです。しかし制覇中々できず膠着状態に陥るケースが少なくないため、公式ルールでは、滅亡していない全プレイヤーが停戦に合意した場合、終戦します。その場合、滅亡していないプレイヤーには優劣はつきません。(1補給拠点所持でも、10補給拠点所持でも同じ。)
ただし、制覇はもちろん停戦でも長時間のゲームになりやすいため、ターン数を制限してその時の「補給拠点」の数で順位を決めるなど、卓ごとのレギュレーションを設けている場合があります。
◯特徴
・「プレイヤーの手番」が存在しない
他ゲームにあるような、手番による有利不利はありません。コマ(軍)は同時に動きます。
・最初から不平等
マップ内の国によって特徴が異なり、それを生かすことが勝利に繋がります。
・全員敵であるが味方になり得る
1国対1国で戦争しても、ただの読み合いであり、勝てたとしても侵攻速度は非常に遅くなります。制覇に向かえば最終的には必ず敵になりますが、一時的にでも味方を作る必要があります。
・嘘は自由
外交では「何を言っても構いません」。嘘を言い過ぎて信用が0になる危険性も考えた外交が必要です。
※過度な暴言や脅し、リアルに影響のある言動は可能ですが非推奨です。
・1マス1軍まで
1つのマスに入れるのは1軍だけです。
◯フェイズの進行
1901年の春ターン→秋ターン、
1902年の春ターン→秋ターン…
と進行します。最長1920年までですが、そこまで行かないことがほとんどです。
春ターン
・外交フェイズ
・行軍フェイズ
・撤退フェイズ
秋ターン
・外交フェイズ
・行軍フェイズ
・撤退フェイズ
・調整フェイズ
秋ターンのみ、調整フェイズがあります。
◯フェイズの概要:外交フェイズ
各国と自由にお話できます。
基本は1対1での会話・文面ですが、卓によって時間制限が違ったり、複数外交ができたり色々ですので卓のレギュレーションを確認ください。会話・文面で時間は大きく変わります。
◯フェイズの概要:行軍フェイズ
全員、軍の動かし方を記述した「命令書」を提出します。命令書の内容に従って軍が動き、敵軍を打ち破ったり引き分け(スタンドオフ:SOと呼ばれます)が起きたりします。後程詳しく説明します。
◯フェイズの概要:撤退フェイズ
行軍フェイズで「撤退」となった軍があった場合、撤退先を選択、あるいは解体するかを選びます。
◯フェイズの概要:調整フェイズ
このフェイズは秋ターンにしかありません。
この時点で、軍が乗っているマスを占領し、自国のものとします。つまり、春には占領できません。
自国の「補給拠点の数」以下になるように、「軍の合計数」を調整します。もちろん、補給拠点が増えれば増設できます。
全て同時に動くため、外交フェイズ以外は「命令書」を書いて、一斉に開示して動かす形をとります。
以下、各フェイズの詳細になります。
◯行軍フェイズ:軍の動き方と命令書
軍には陸軍と海軍の2種類があります。
・陸軍
・維持命令
・移動命令
・支援命令
・海軍
・維持命令
・移動命令
・支援命令
・輸送命令
(1)維持命令
「その場に留まる」命令です。その地を守るときなどに使います。命令書では、維持命令をする軍を指定するだけです。
[ヴェニスの陸軍を維持]
(2)移動命令
「隣のマスに移動する」命令です。攻撃時にもこの命令で記述します。
[ロンドンの海軍を北海へ移動]
移動できる箇所には制限があり、満たしていなければ自動失敗します。
・陸軍は海には移動できない
・海軍は内陸(海なしマス)には移動できない
・海軍は陸地にいる場合、海岸にいる判定となり、陸地から陸地へ移動する場合は、海岸が繋がっている必要がある(例:ヨークシャーの海軍は、海岸の繋がっていないリバプールやウェールズには移動できない)

また、ディプロマシー内には特殊な地形がいくつかあります。
・スイスおよびイギリス以外の島々:侵入不可です
・キール・デンマーク・スウェーデン・コンスタンティノープル:陸軍も海軍も移動可能ですが、海軍が海をまたぐにはこれらのマスを1ターンかけて経由する必要があります。(例:北海海軍がデンマークに移動してから、次のターンにバルト海に移動する)
・サンクトペテルブルク・スペイン・ブルガリア:海岸線が他のマスで切られている扱いになり、サンクトペテルブルクでは北岸と西岸、スペインは北岸と南岸、ブルガリアは東岸と南岸があります。海軍がこれらのマスにいる場合には、どちらの岸にいるかが区別され、移動可能なマスもそれぞれ異なります。同様に、海軍がこれらのマスに移動する際には、明確に岸を指定する必要があります。岸が別れていますが、他のマス同様1マスであることに変わりは無いため、両方の岸に同時に海軍が留まることは出来ません。
移動命令により移動先に軍がいる場合や、別の同じ行き先の軍と鉢合わせた場合には、移動失敗となり元のマス目に戻されます。これは スタンドオフ(SO)と呼ばれます。後述の支援命令によって他の軍の力を借りることで、突破できる場合があります。
なお、自国の軍のいるマスに移動する場合、その移動先の軍が他のマスに移動できなければ、自動失敗になります。(移動支援を受けていても失敗する)
また、移動命令同様に、自国の軍を撤退させるような移動支援は自動失敗になります。
※必要となるケースはありますが、割愛します
(3)支援命令
「他の軍に力を与える」命令です。1軍同士での衝突であれば、ディプロマシーでは元のマス目に戻されます(スタンドオフ(SO))。有効な支援の数が多い方が勝ちます。他国軍でも支援を出すことが可能です。
支援命令には移動支援と維持支援の2種類があります。支援先に入力された命令の種類と合致した支援命令でない場合は、支援命令そのものが失敗します。
・移動支援
移動命令を受けた軍を支援します。支援先の受けた命令が、移動命令以外の命令や、移動命令の移動先が異なる場合は失敗します。また、支援命令を出す側の軍は、支援先が受けている移動命令の移動先のマスに隣接し移動できる必要があります。(例:陸軍は海軍の海への移動を支援できず、また海軍は陸軍の内陸部への移動を支援できない)
支援先の軍の移動先のマス目にいる軍ではない、他国の軍から攻撃を受けた場合、移動支援は失敗します。これを「支援カット」と呼びます。
移動支援により、移動先で他国の軍に支援の数で上回った場合、他国の軍を押し退けて移動が成功します。この時敗北した軍は撤退となります。
[マルセイユの陸軍はパリの陸軍がブルゴーニュへ移動するのを支援]
・維持支援
移動命令以外の命令を受けた軍を支援します。支援先の受けた命令が移動命令である場合失敗します。また、支援を出す側の軍は、支援先のマスに隣接し移動できる必要があります。(例:陸軍は海上の海軍に維持支援を出せない)
自国以外の軍に攻撃された場合、維持支援は失敗(他の軍に力を与えられない)します。これを「支援カット」と呼びます。
(4)輸送命令
海上にいる海軍に対してのみこの命令を出すことができます。この命令は、陸軍の移動命令と併せて使用されます。海岸にいる陸軍を、海軍のいるマスを通過させ別の海岸に移動させることができます。複数の海軍を使用して、遠くの海岸に輸送することも可能です。
輸送する海軍は(複数いる場合は全て)陸軍の移動命令と同じ指示を出す必要があります。
輸送命令は、輸送する海軍のうちどれか一つでも撤退させられた場合、失敗します。支援カットのように攻撃されただけでは失敗しません。
[イオニア海の海軍はアピュリアの陸軍をシリアに輸送]
[東地中海の海軍はアピュリアの陸軍をシリアに輸送]
[アピュリアの陸軍はシリアに移動]
◯撤退フェイズ:軍の動き方と命令書
撤退フェイズでは、撤退した軍を移動させるか解体するかを選びます。各地で同時に2軍以上撤退することも頻繁に起きるため、これも同時に処理するために命令書が必要です。
以下の条件で撤退による移動は失敗し、自動解体となります。
・その軍が1手で移動不可能な地域を指定した場合
・既に軍のいるマスを指定した場合
・そのターンの行軍フェイズでスタンドオフが発生したマスを指定した場合
・その軍を撤退に追い込んだ軍の、移動前のマス(攻撃元のマス)を指定した場合
・2つ以上の軍が、前述のどの条件にも当てはまらない上で、同じ撤退先を選択した場合
撤退する軍がいない場合、撤退フェイズはスキップされます。
[ブルゴーニュの陸軍をパリに撤退]
[アルメニアの海軍を解体]
◯増設フェイズ:命令書
秋のみ、最後に増設フェイズがあります。この時点で軍のいるマス目を占領し、各国の補給拠点の数を数えます。補給拠点数が現在の軍の数より多い場合、軍を追加=増設することが出来ます。
増設は、増設フェイズ時点で空いている「自国の初期補給拠点(本国)」でしかできません。また、陸軍と海軍がありますが、海軍はいわゆる「海無し県」では増設できません。陸軍は本国であればどこでも増設できます。
[ナポリに海軍を増設]
逆に、補給拠点数が現在の軍の数より少ない場合、差分の軍を解体する必要があります。解体はどこの軍を解体しても構いません。補給拠点数を下回るような解体は実行できません。
[ボスニア海の海軍を解体]
◯Q&A
・外交フェイズに何をすれば良いか分かりません!
→経験者が同卓しているなら、その方の外交を聴きながら、外交のポイントを掴みましょう。その上で自分なりに考えて、主体的に話せるようになっていきましょう。
・行軍フェイズでどのような命令を出せば良いか悩みます!
→基本的には、1対1で進軍し合えば膠着状態に陥るゲームですので、どこと同盟するか、どこを敵国とするかをはっきり決めて、敵国に向けて補給拠点を取りながら進軍する命令を選ぶのが基本です。
・軍の数が多いと複雑すぎて、正しく行軍が処理されているのか分からない!
→まずは支援カットを見て、生きている支援を判別してから、移動を一つ一つ解決していきましょう。
・どことも仲良く出来そうなら、どこと同盟を組むかはどこで判断すれば良いですか?
→盤面全体を俯瞰して、どこの国がどう動きたいと言っているかをイメージしましょう。その上で同盟のいくつかのパターンを考えたときに、自国が最も有利となる盤面が思い描ける国と同盟しましょう。
・包囲されてしまって押し込まれます!どうすれば良いですか?
→まずはしっかりと防御して、長く生き残りながら、粘り強く外交しましょう。それでもダメだと思うのなら、奇策を練ったり布石を撒いたりしておきましょう。
・強くなるにはどうしたら良いですか?
→単純に言えば、行軍を学びマップを学び、外交術を磨けば良いのだと思います。経験と勉強を繰り返しましょう。
・春には土地の占領はできないんですか?
→春占領は、ゲーム実況者にて提案された時短ルールであり、非公式です。通常のルールでは、春どのような位置に軍が居たのかに関係なく、秋にのみ軍がいる位置を占領し、増設フェイズを行います。
・熟練者の言っていることが分からない/ついていけない!
→専門用語など分からない場合は、素直に聞き返しましょう(特に書簡卓)。ついていけない場合には、地理を覚えておくと少しスムーズになります。また、自分と相手で考え方の違いに気付いたのなら、それは戦略上の穴になる可能性があります。深く考えてみましょう。
初心者向けということで、これでも書きすぎなくらいだと思いますが、これで筆を置いておこうと思います。
気が向いたら追記するかもしれません。
ディプロマシー雑記
各国解説とは違う気がするので、別枠として。諸々記載。
①盤外戦術・外交手法
ルールに則っていても、盤外戦術はあり、そしてそれは利用できる場合もある。逆にグレーゾーンだということを知らずに使えば痛い目を見るかもしれないので、ここで外交手法とともに確認しておく。
・直前外交
外交時間締切のギリギリに外交する手法で、相手に意思確認する暇を与えず決定事項を通知する。外交フェイズの次は当然ながら行軍フェイズなので、その決定を揺るがせたり、あるいは裏切りを実行する側が言い訳のように使用するケースがある。
あまり頻繁に使ってくる相手は、忙しいのかもしれないが信用が落ちることをお互いに共有しておく必要があるかもしれない。あるいは、手を切る用意をしておくことも考えよう。
・長時間外交
1外交フェイズが30分以下等、リアルタイムの会話で外交を行う場合、相手と直接やりとりする時間が長ければ、相手は他国とは組みにくくなる。とはいえ、同盟したい相手とはしっかりと意思確認したいものだし、懇切丁寧に説明したくなるものでもある。短すぎればドライと捉えられ、長すぎれば迷惑なので、丁寧かつ簡潔に会話する技術はこのゲームでは有効となる。
・開幕外交
特に名称はないが、外交フェイズ開始1発目に誰と会話するかというのは第一印象に関わる。例えディプロマシーを何度もプレイした人であっても、ゲームの度に戦略も信頼性も変化するので、常に第一印象は気にする必要がある。
メール型のディプロマシーであれば、外交フェイズ開始前に何を伝えるかあらかじめ書いておくとスムーズ。リアルタイムであればどこかの国を選ぶ他ないが、それは次の項目を見つつ考える。
・外交順序
これは外交テクニックであって、グレーではなくホワイト。外交開始前に、どの順序で外交が必要なのかは考えておこう。少なくとも最序盤での優先度的には、対称国と近隣国が同率1位になる。露の場合はどちらかというと南軍、つまり墺土の方が優先度は上。伊仏はほぼ同率。独は土より伊の方が優先度は上。と言ったように各国で微妙な差はあるので、それは各国解説と併せて考えよう。ただ、リアルタイムである場合、開口一番が他国に取られて、待っている間に時間が過ぎるのは考えものなので、他に会話できる相手がいれば優先度が低くても会話しておこう。
行軍と戦略を考える上で、方針が多少変わっても外交できる内容(近隣国の取り扱い、国境および空白地点の確認、情報交換、盤面の確認、中長期での戦略確認など)と、方針が決まってからでしかできない内容(具体的な行軍のすり合わせなど)があるので、例え友好ではない国とでも会話しておくことが今後につながる。
・恫喝、暴言、泣き落とし等
非推奨ではあるが、個人的には不許可ではない外交手法で、場合によってはGM判断などでNGとなる。相手プレイヤーの精神にダイレクトアタックを仕掛ける。
貴方が真にディプロマシーのプレイヤーであるならば、貴方の判断で戦争が起き、国が傾き、人が(擬似的に)死に、自国や他国が滅ぶ。なので感情とは別で戦略と行軍は考えるべきである。とは言っても、プレイヤーはもちろん人であるし、相手を信用する心も感情と密接に繋がる部分である。であれば、少なくとも悪意をもって相手にそういう攻撃をわざと仕掛けるのはよろしくない。
ディプロマシーはゲームであるので、そこで不和を生むのはやるせない。ギスギスした一喜一憂を皆が楽しむには、はっきり言って精神攻撃は不要だ。
②行軍トリック
どこかで書いたかもしれないが、念の為。基本的なものを記載。
(1)
状況:Pic、Bur、Mar、Gasに仏陸軍、Mun、Ruh、Belに独陸軍
独命令:Mun-Bur、RuhとBelは移動支援(Ruh-Burとそれに2軍の移動支援でも同義)
仏命令:Mar-Bur、Gas S Mar-Bur、Bur-Bel、Pic S Bur-Bel
結果:Bur-Belが成功、Bel独陸軍撤退(-Hol)
Mun軍とMar軍でSO。
独命令:Bel-Bur、MunとRuhは移動支援
仏命令:Pic-Bel、Bur S Pic-Bel、MarとGasはBurを維持支援
結果:Pic-Belが成功、Bel独陸軍撤退
なので、行軍の読み合い次第だが基本的に陸軍1の差があれば、独仏間のように前線の軍の差があってもカウンターがあるので、攻撃がリスキーになることがある。
(2)
状況:Eng、Pic、MAtに仏海軍、Bur、Parに仏陸軍。Mun、Ruh、Belに独陸軍。Lon、Nthに英海軍。1903秋など。
英命令:Lon-Eng、Nth S Lon-Eng
独命令:Bel-Pic、Mun-Bur、Ruh S Mun-Bur
仏命令:Pic-Bel、Eng C Bel-Pic、MAt S Eng H、Bur S Pic-Bel、Par S Bur H
結果:Picの仏海軍とBelの独陸軍の位置が入れ替わる。秋ならBel仏領に。
海軍は支援カットは通常通りだが、輸送なら撤退に追い込まれない限り成功する。また、海軍で輸送を挟むと軍の入れ替わりが可能になる。もちろん輸送は陸軍に対してのみ実行可能なため、例ではPic仏海軍は輸送できないため、Bel独陸軍をPicに輸送している。ディプロマシー上ではBel独陸軍はEngの仏陸軍に輸送されてPicに移動したことになる。敵軍なのに…。
③各種追加ルール
ディプロマシーには別の時代、別のマップもある。だが同じ欧州第一次世界大戦マップであっても、楽しみ方は色々あるので、それを紹介していく。
(1)1900冬開始ルール
最初、全ての軍が配置されていない状態で調整フェイズの前に外交を始める。英伊土が3海軍にしたり、墺露が全部陸軍にしたりできる。もちろん今までのディプロマシーの最初の状態はガラリと変わるため、組み方も色々だ。どれだけ魅力的な作戦を考えられるかが一つの鍵となるだろう。
(2)Age of Empiresルール
元ネタはPCゲーム「Age of Empires」なのだろうか。数人の村人だけで始まり、時代を成長させながら他国を征服するゲーム。
ディプロマシーにおいては、首都1拠点から始まる。英はLon、仏はPar、独はBer、伊はRom、露はMos、墺はVie、土はConだったと記憶している。1900冬開始ルールと同じく調整フェイズから始まる。と言っても、露墺仏は陸軍しか作れないが。
その上で、通常ルールでは出来なかった、初期拠点以外での増設が可能となっているため、例えば土でもBerを占領し海軍でも作ってしまえば海越えができる。また、自国本土を追い出されても軍の数が3以上あるならば、他国を乗っ取って再起の可能性は大いに残る。加えて、墺がGre・Blu・Rumなどで海軍が生産できるし、英は北欧から陸軍を生産し輸送なく押し出すことも可能である。
かなり夢のあるルールなので、カオスではあるがやってみる価値はあると思われる。
(3)自作ルール
色々作れるが、自分が作ったものを紹介。
PCゲーム「大戦略」を元に、"索敵範囲"を盛り込んだ索敵ディプロマシーを1度開催したことがある。簡単な追加ルールは以下の通り。
・所持している補給拠点と軍の周囲1マスの状況のみが確認できる。
・維持命令を受け攻撃を受けなかった軍は、索敵を実行する(3手で移動可能な範囲の状況を追加で確認する)
・視界範囲外を含む命令は、視界範囲外の部分は伏せて表示される。(例:自国が独で1901秋Swe SOした場合、「?国?-Swe」が見える。)
・撤退フェイズがあれば通知される(進行上の問題)
・1901春の前は全軍維持命令だったとみなす。
・視界更新は、外交フェイズ開始直前。
他国から遠い位置だとどの軍を増設したかも不明瞭なので、裏切りながら同盟を続けやすい上に、GSLを正確に引くのも難しいので制覇率は高くなるはず。外交による情報交換と連携が大事なゲームなので、GM負担大きいですがオススメです。
最後に
色々書きましたが、良きディプロマシーライフをお送りくださいませ!
複数国家戦略④
色々あって、なんだかんだ過去記事を読んでいたら、全然書いてない部分があったので、下書きで終わるかもしれないですが残しておく意味も込めて書いていきます。
残っていたことを忘れていたのもあって、時間もないから結構手抜きなんです。すみません。
複数国家戦略の残りになります。
⑩墺伊同盟
露土ジャガーノートに対抗する目的で組まれることがある同盟。伊は基本的にレパント系かキーレパントの選択になる。墺側はヘッジホッグ系ではなくバルカンギャンビット選択の方が、成長速度として目的に合っていると思われる。
実際にジャガーノートでなければ瓦解するかというとそういうこともなく、露土激突するなら墺伊はそのまま成長できるのが優秀。墺側は伊の対土に協力しつつ、対露を行う。伊は対称国を失うが、状況により英独が変わってくれることもあるだろう。
拠点としては、海軍での維持しやすさを含めて考えると、伊が土領を丸々取得する形の方が墺としても安定しやすいだろう。Gre・Bluの分配や墺海軍をBlaに浮かべるかどうかは状況により要相談事項となる。
拠点数配分を考えると、少なくとも序盤は墺側優位で進めるべきだが、冠水後の伊海軍を西に向ける時間も考慮すると、4年程度経てば伊側を優位にしてMAtへの進出を急ぎたい。逆にいえば、そうならなければ墺伊激突は時間の問題になるだろう。これは、そこまで先を見なければ完遂が難しいことを意味する。
墺にとって、各種パターンの中では制覇の目が高い同盟となるため、魅力的ではあるが序盤を乗り越えられるかが最大の鍵となる。陸軍でMun・Berを取得するのはGSL越えでは比較的楽な方なので、東欧に残った伊領と合わせて奪えれば勝ちとなりうる。
伊側では、対称国を失うので旨みは低いが、ジャガーノートの危険性を排除しながら成長できるというのがメリットとなるので、最序盤の選択肢には入れておきたい。
西欧では、独は対露完遂後狙われるので、最初は良いが成長速度差で負けそうならEFG(西欧三国同盟)を視野に入れよう。そうでなければ生き残れない可能性が高い。もしくは、伊独で墺を挟撃するかだが、その場合は東に戦力を出せるよう早めに西欧で成長しておく他ない。
仏も対土後成長した伊に狙われるので、仏はEFGに比較的同意してくれる。伊を墺仏挟撃できるかもしれないが、被制覇の懸念を残す形になるだろう。
よって問題は英であるが、どちらに傾くかは難しいところ。その時の西欧の状況にかなり大きく依ると思われる。少なくとも初期は歓迎するだろう。
11.墺露同盟
非常に難しいが、不可能ではない。どちらかというと予定している状況から外れた場合にはそこそこ生じ得る同盟。例えば、対土包囲で合意したのに伊が全力で西進した場合などである。
最も注目すべきポイントは海軍数。露の北軍の状況によって様々だが、墺露どちらも、可能なら海軍を増設すれば長続きする。特に露側は、北欧取得や対独目的でStp増設なら比較的しやすいだろう。対土完遂後は露は北軍を中心にして対独・対英、墺は対伊・対独となる。ここで海軍の数が効いてくる。墺がTriに海軍を作ることは難しいが、露と仲が良いなら仏は味方になってくれやすいだろう。
英独伊は基本的に嫌がるというか、墺露の裏切りを誘発する方向で動くだろう。仏は前述の通りで比較的好意的に受け取られるだろう。
露はあまり外交の相手先を選びにくい傾向にあり、墺は長期で信用できるプレイヤーを求め相手のハードルが高いので、どちらかというと外交時間が短い、外交の少ないプレイヤーがいて信用できないなどで、制限があると生じ得る。
12.伊土同盟
墺露ほどは難しくない同盟。ただ組まれるのは似たような理由が多い。陸軍はどの国でも必要だが、特に東欧では海軍はさほど必要でない場合が多い。よって土が陸軍国として成長するならば、伊は対墺後西進して仏から西欧を攻略していくのがこの同盟。こうなり得るのは、伊が露を裏切るというか"見捨てた"場合だろう。対墺包囲で組んだのに露はStpシステムをした…等である。
独は最初こそ歓迎するかもしれないが、成長速度で負ければ離間が始まるだろう。英は墺が潰されるだけでなく、伊が海軍国として成長してくるので基本敵対する。仏も伊の最前線に来るので、EFG成立のきっかけになるかもしれない。
13.EFG(西欧三国同盟)
England、France、Germanの頭文字をとってEFG。どちらかというと東欧に負けないための防衛目的で組まれがちな同盟。例えばジャガーノートが思いの外早く、仏でも制覇の目が無いと思われたりすれば成立する。
長期的に組むならば、英は対露に終始して陸軍の増設もしていき、仏も対伊でMar海軍増設していく。独は双方を支援しながら対露・対伊・対墺する。独陸軍の要求される範囲が大きいので、独は海軍増設の余裕はほぼない。
初手から選択する場合、独が大きくなり海軍同士で英仏戦争になる…ということはあまりなく、どちらかというと仏の対独(独本土)や英の対独(北欧)、あるいはそれを懸念した独の反転はあるかもしれない。東欧としては土以外は基本嫌がるだろうが、それを覚悟して進めることになるだろうか。
14.英露同盟
北欧を分割しながら南下し対独していく同盟。対独後は、露は南に、英は対仏にという流れになるだろうか。綺麗に分割される範囲は不明瞭であるし、その効果のほども(露の北軍が強くはないので)高くはないが、その分奇襲性だけは高い。
墺土は嫌がるだろうし、伊も序盤には北軍に注力されると困るだろう。伊は対仏しても成果が上がらないので、仕方なく対墺か対土を選択するかもしれない。仏としては序盤対独することは歓迎だが、英が対仏に移行してから露が無視するとは思わないだろう。露にとって仏が信用できないのが前提に必要かもしれない。
15.東欧三国同盟
伊を除く東欧の三国(露墺土)で組む同盟。露土はスリングショット・ジャガーノートに近い形で序盤を進行する。ただしどちらかというと土陸軍で露海軍を解体した方が良いし、露はStpシステムを採用した方が速いだろう。西欧(例:スチームローラー)に対抗するためか、あるいは奇襲的に組むことになる。土は対伊、露は対英・対独、墺は対独・対伊を行う。
あまり知見が取れないため難しいが、仏は微妙な立場になるのではないだろうか。
まとめ
理論上だけで言えば、どんな同盟戦略でも取ることが可能。考えるべきポイントをいくつか挙げておくと、①その同盟を結ぶ上でのハードルはどこにあるか(短期/中期/長期のどこが問題になるか、拠点配分は比較的対等に行えるか)、②それを他国(特に遠方国)が見た時に、何と思いどのように行動するか。この2点である。
そして、もしどことも組めなかったり、条件がうまく合わないと感じるならば、条件が合うように行軍する他ない。防衛して耐えたり、侵攻して有利をとってから組み直すなどである。
そうやって外交を繰り返し、手を進め、どこかで全員を出し抜けば、きっと欧州の覇者となれるだろう。
アカウント復活テスト
スマホ変更時にトラブル起こしたためテスト