ディプロマシー雑記
各国解説とは違う気がするので、別枠として。諸々記載。
①盤外戦術・外交手法
ルールに則っていても、盤外戦術はあり、そしてそれは利用できる場合もある。逆にグレーゾーンだということを知らずに使えば痛い目を見るかもしれないので、ここで外交手法とともに確認しておく。
・直前外交
外交時間締切のギリギリに外交する手法で、相手に意思確認する暇を与えず決定事項を通知する。外交フェイズの次は当然ながら行軍フェイズなので、その決定を揺るがせたり、あるいは裏切りを実行する側が言い訳のように使用するケースがある。
あまり頻繁に使ってくる相手は、忙しいのかもしれないが信用が落ちることをお互いに共有しておく必要があるかもしれない。あるいは、手を切る用意をしておくことも考えよう。
・長時間外交
1外交フェイズが30分以下等、リアルタイムの会話で外交を行う場合、相手と直接やりとりする時間が長ければ、相手は他国とは組みにくくなる。とはいえ、同盟したい相手とはしっかりと意思確認したいものだし、懇切丁寧に説明したくなるものでもある。短すぎればドライと捉えられ、長すぎれば迷惑なので、丁寧かつ簡潔に会話する技術はこのゲームでは有効となる。
・開幕外交
特に名称はないが、外交フェイズ開始1発目に誰と会話するかというのは第一印象に関わる。例えディプロマシーを何度もプレイした人であっても、ゲームの度に戦略も信頼性も変化するので、常に第一印象は気にする必要がある。
メール型のディプロマシーであれば、外交フェイズ開始前に何を伝えるかあらかじめ書いておくとスムーズ。リアルタイムであればどこかの国を選ぶ他ないが、それは次の項目を見つつ考える。
・外交順序
これは外交テクニックであって、グレーではなくホワイト。外交開始前に、どの順序で外交が必要なのかは考えておこう。少なくとも最序盤での優先度的には、対称国と近隣国が同率1位になる。露の場合はどちらかというと南軍、つまり墺土の方が優先度は上。伊仏はほぼ同率。独は土より伊の方が優先度は上。と言ったように各国で微妙な差はあるので、それは各国解説と併せて考えよう。ただ、リアルタイムである場合、開口一番が他国に取られて、待っている間に時間が過ぎるのは考えものなので、他に会話できる相手がいれば優先度が低くても会話しておこう。
行軍と戦略を考える上で、方針が多少変わっても外交できる内容(近隣国の取り扱い、国境および空白地点の確認、情報交換、盤面の確認、中長期での戦略確認など)と、方針が決まってからでしかできない内容(具体的な行軍のすり合わせなど)があるので、例え友好ではない国とでも会話しておくことが今後につながる。
・恫喝、暴言、泣き落とし等
非推奨ではあるが、個人的には不許可ではない外交手法で、場合によってはGM判断などでNGとなる。相手プレイヤーの精神にダイレクトアタックを仕掛ける。
貴方が真にディプロマシーのプレイヤーであるならば、貴方の判断で戦争が起き、国が傾き、人が(擬似的に)死に、自国や他国が滅ぶ。なので感情とは別で戦略と行軍は考えるべきである。とは言っても、プレイヤーはもちろん人であるし、相手を信用する心も感情と密接に繋がる部分である。であれば、少なくとも悪意をもって相手にそういう攻撃をわざと仕掛けるのはよろしくない。
ディプロマシーはゲームであるので、そこで不和を生むのはやるせない。ギスギスした一喜一憂を皆が楽しむには、はっきり言って精神攻撃は不要だ。
②行軍トリック
どこかで書いたかもしれないが、念の為。基本的なものを記載。
(1)
状況:Pic、Bur、Mar、Gasに仏陸軍、Mun、Ruh、Belに独陸軍
独命令:Mun-Bur、RuhとBelは移動支援(Ruh-Burとそれに2軍の移動支援でも同義)
仏命令:Mar-Bur、Gas S Mar-Bur、Bur-Bel、Pic S Bur-Bel
結果:Bur-Belが成功、Bel独陸軍撤退(-Hol)
Mun軍とMar軍でSO。
独命令:Bel-Bur、MunとRuhは移動支援
仏命令:Pic-Bel、Bur S Pic-Bel、MarとGasはBurを維持支援
結果:Pic-Belが成功、Bel独陸軍撤退
なので、行軍の読み合い次第だが基本的に陸軍1の差があれば、独仏間のように前線の軍の差があってもカウンターがあるので、攻撃がリスキーになることがある。
(2)
状況:Eng、Pic、MAtに仏海軍、Bur、Parに仏陸軍。Mun、Ruh、Belに独陸軍。Lon、Nthに英海軍。1903秋など。
英命令:Lon-Eng、Nth S Lon-Eng
独命令:Bel-Pic、Mun-Bur、Ruh S Mun-Bur
仏命令:Pic-Bel、Eng C Bel-Pic、MAt S Eng H、Bur S Pic-Bel、Par S Bur H
結果:Picの仏海軍とBelの独陸軍の位置が入れ替わる。秋ならBel仏領に。
海軍は支援カットは通常通りだが、輸送なら撤退に追い込まれない限り成功する。また、海軍で輸送を挟むと軍の入れ替わりが可能になる。もちろん輸送は陸軍に対してのみ実行可能なため、例ではPic仏海軍は輸送できないため、Bel独陸軍をPicに輸送している。ディプロマシー上ではBel独陸軍はEngの仏陸軍に輸送されてPicに移動したことになる。敵軍なのに…。
③各種追加ルール
ディプロマシーには別の時代、別のマップもある。だが同じ欧州第一次世界大戦マップであっても、楽しみ方は色々あるので、それを紹介していく。
(1)1900冬開始ルール
最初、全ての軍が配置されていない状態で調整フェイズの前に外交を始める。英伊土が3海軍にしたり、墺露が全部陸軍にしたりできる。もちろん今までのディプロマシーの最初の状態はガラリと変わるため、組み方も色々だ。どれだけ魅力的な作戦を考えられるかが一つの鍵となるだろう。
(2)Age of Empiresルール
元ネタはPCゲーム「Age of Empires」なのだろうか。数人の村人だけで始まり、時代を成長させながら他国を征服するゲーム。
ディプロマシーにおいては、首都1拠点から始まる。英はLon、仏はPar、独はBer、伊はRom、露はMos、墺はVie、土はConだったと記憶している。1900冬開始ルールと同じく調整フェイズから始まる。と言っても、露墺仏は陸軍しか作れないが。
その上で、通常ルールでは出来なかった、初期拠点以外での増設が可能となっているため、例えば土でもBerを占領し海軍でも作ってしまえば海越えができる。また、自国本土を追い出されても軍の数が3以上あるならば、他国を乗っ取って再起の可能性は大いに残る。加えて、墺がGre・Blu・Rumなどで海軍が生産できるし、英は北欧から陸軍を生産し輸送なく押し出すことも可能である。
かなり夢のあるルールなので、カオスではあるがやってみる価値はあると思われる。
(3)自作ルール
色々作れるが、自分が作ったものを紹介。
PCゲーム「大戦略」を元に、"索敵範囲"を盛り込んだ索敵ディプロマシーを1度開催したことがある。簡単な追加ルールは以下の通り。
・所持している補給拠点と軍の周囲1マスの状況のみが確認できる。
・維持命令を受け攻撃を受けなかった軍は、索敵を実行する(3手で移動可能な範囲の状況を追加で確認する)
・視界範囲外を含む命令は、視界範囲外の部分は伏せて表示される。(例:自国が独で1901秋Swe SOした場合、「?国?-Swe」が見える。)
・撤退フェイズがあれば通知される(進行上の問題)
・1901春の前は全軍維持命令だったとみなす。
・視界更新は、外交フェイズ開始直前。
他国から遠い位置だとどの軍を増設したかも不明瞭なので、裏切りながら同盟を続けやすい上に、GSLを正確に引くのも難しいので制覇率は高くなるはず。外交による情報交換と連携が大事なゲームなので、GM負担大きいですがオススメです。
最後に
色々書きましたが、良きディプロマシーライフをお送りくださいませ!