適温のブログ

必要になった時のみ運用

起死回生の難しさ

ディプロマシーで一度劣勢になると逆転は難しいと聞きますし、実際自分もそう思います。

しかしだからこそ、そこにロマンややり甲斐を感じる人がいるのも事実です。GM的には、ただプレイヤーの皆さんを応援していますが、その上で劣勢の方でも出来れば勝利を目指して行って欲しいと思います。

そもそも優勢なのは勝利が近いからであり、劣勢なのは勝利が遠いからです。劣勢から勝てなくとも、ある程度仕方のないことでしょう。

 

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 英は読み合い勝ちでイギリス海峡から北海へ進出し、またヘルゴランド湾に出る事でオランダ及びキールへ圧力をかけています。ピカルディに出られなかったのは痛手ですが、独から領土を奪うチャンスと言えそうです。露仏のうち露を止めねば勝ちの目は薄いですが、独も現在6拠点で西欧の強国である上に英本土を奪われていますから、まずは独を減らす方針かもしれません。通常、この形なら露仏の挟撃を警戒する所ですが、特に仏側に英への対抗手段がない事が懸念点を軽減しています。

 仏は英を味方につけパリを貸し出すような形です。伊への侵攻を強めました。そのためブレストにもアクセスできなくなりましたが、そちらに独が読み合いで近づいてしまいました。英独どちらも触らせずに、あるいはSOさせるなどする事ができるでしょうか。対伊ではティレニア海に進出し、また北アフリカにも軍の用意がありチュニスに有力な配置がされています。ブレストが上手くいけば拡大できそうに見えます。

 独は包囲の様相が強まり苦戦は必至と言ったところですが、露の陸軍が東から来ていないことと、仏の陸軍が少ないためまだ保たせられる可能性があります。しかしタイムリミットが近いので、西欧で組み直すのも、また東欧を誘導するにしても急がねばなりません。ここでの減産は、それこそ勝機を失う公算が大きいでしょう。

 伊はまさに窮地です。ヴェニスを奪われただけでなくチュニスも狙われています。ティレニア海イオニア海を抑えられると、ここまで動けなくなります。伊は滅亡まではいかないかもしれませんが、時間がないという意味では墺独と同様、盤面の組み替えを急がねば、本当に滅亡もあり得るかもしれません。

 露はスカゲラクから英海軍が南下したため北欧が安定しました。南に追加で1軍使えるかどうかは、露にとってはとても大きい材料です。その余分な1軍で独を突くか墺の包囲を強めるか、はたまた対土反転して押し込むか…とても多くの選択肢があります。現状の優勝候補ですが、それを確固たるものにする為に上手く使いたいところです。

 墺はトリエステを回復できそうですが、この秋は修羅場です。土をいかに説得するかにほぼ全てがかかっています。ブダペストの回復は露に対する防衛戦力として必須どころかそれでも足りないくらいなので、ガリシアが空いている今ウィーンに増設できるかどうかに賭け、説得するしかないでしょう。

 土は優勝候補の2番手として、多くの選択肢がありますが、今すぐ拠点を取るならトリエステが狙い目ではあります。ただ、墺を生かすも殺すも土次第であり、また墺はブダペストを回復した場合ウィーン陸軍増設となります。露の北欧が安定した事をどう見るか。例えば、墺を対露の盾として伊へ侵攻して勝つ…など、そういった勝利戦略によって、成長方法を選ぶべきでしょう。

 

基本的に、前年度終わりからあまり大きく変わったところはありません。ディプロマシーは盤面が進んでくるとこうなりがちです。数年先の事を考えた外交によって、枠組みをわずかずつでも有利な方向へ動かすことが、結果として逆転の1手となると自分は考えています。その成果が、この秋に問われていると思います。