適温のブログ

必要になった時のみ運用

そして後半戦へ…

 欧州の情勢は、4年をかけてこうなりました。

 

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 ディプロマシーの盤面は、似たような盤面はあっても、決して同じではありません。それは特に外交模様に現れ、交渉のベストなやり方を変化させます。

 良い交渉の為には、相手の感情を読み、それに合わせた外交が必要です。決して、同じ外交一辺倒にはなりません。その外交を決める情報の一つとして盤面とその認識があります。盤面と外交、次の行軍が全てリンクします。どれから考えるべきかは状況によりますので、盤面認識だけの問題ではありません。そういう意味で、このブログの内容は、あくまでプレイヤーの補助となるものです。ただし、盤面そのものは外交と違い絶対の事実であるため、ディプロマシーをやる上で最も早く強くなるにはまずはここからだと思います。

 

 さて各国の状況分析に移りましょう。

 英はブレストを捨ててイギリス海峡へ戻りましたが、露によりノルウェーを失いました。しかしデンマークを奪取しており、奪われたロンドンを含めて増産ゼロです。仏と組み直すならブレストだけを奪い、仏の北側海軍増設を無くすのが良いのですが、パリに残った理由は何でしょうか。また、露とのノルウェーの取り扱いがどうだったのかは外交で確認すべき情報でしょう。1増できなかった事で、独のロンドン海軍を退かす事が難しく、結果独とデンマークで手打ちにする事は難しくなっています。増設をどこで行うかと、独を追い出す2つの大きな課題が、盤面に戦略的に手を出せない遠因となっているように思います。対露・対独・対仏のどこかで利益を得ながら、戦略的には外交で他国を停滞させていく必要があります。

 仏はどういう交渉かブレストを回復し、ヴェニスを奪い増減産0です。このまま対伊を続けるのなら、キーになるのは墺土との交渉です。ここまでこの軍の数で来るのにヴェニスだけでは少ないので、ここまでの英独との外交と同じくシビアな外交が要求されます。逆に対伊を取りやめるのならば、それはトルコを止めて露を伸ばす側に回るという事ですが、戻すのに時間がかかります。対称国の露仏同盟という観点で行けばこちらの方が戦略的に理がありそうですが、この時間によって生じる露仏の戦力差が最大のネックになりそうです。この対伊方針如何による盤面への影響がとても大きい事から、1905年度は全国家に対して重要な外交ポジションとなります。

 独は一先ず仏が来なくて一安心ですが、対露するなら英との和解を急ぎたいところ。露がどこに増設するかで和解の難易度が変わります。サンクトペテルブルクの北岸海軍だと好都合、他は基本難しくなります。ワルシャワ陸軍やサンクトペテルブルク南岸海軍だと、独側に多少の不利益を負ってでも和解しないといけない…もしくは、英と和解せずに対露する為の外交が必要になります。対露しない場合は英を押しつぶしていく事になりますが、成長速度でせめて露と対等になるような交渉、例えば露土同盟を壊すなどの手が確実に必要になります。大きな枠組みとして何処と組んでいくか、再考が必要です。

 伊は同盟の再考が急務でしょう。少なくとも今孤立しており、どこからも救いの手がありません。アルバニアが解体された事で、バルカンへの影響力も微々たるものになってしまいました。まずは生き残りを重視して、自分の存続価値をアピールしていく必要がありそうです。伊は存続価値をアピールして行く中で、これから先の成長路線を見出さなければなりません。仏の項でも触っていますが、ジャガーノートの現状と伊が抑えるべき相手は誰か?という辺りが交渉材料として有力に見えます。

 露は上手いこと北欧奪取に成功しました。ここから独領や英本土への侵攻は少し時間がかかります。仏が対英か対独していると、やりやすいのですが…無いものは仕方ありません。幸い英独関係回復には時間がかかりそうなので、北側は今まで通り、少しずつ食べるチャンスを狙っていく程度で良さそうですし、それ以上は逆にせっかく安定した北欧を不安定にさせそうです。南側はブダペストの取得には至らず、現状土だけがバルカンを取得し伸びています。土との同盟を続けるならば、利益を確保したいところですが、北欧が優勢なだけに外交が難航する恐れがあります。土側が安定したことで、黒海の取り扱いが再度交渉のテーブルに乗るでしょう。ジャガーノートを取りやめ組み直す場合は墺と同盟、というのももちろんではありますが、それ以上に対土包囲網ということで仏伊とも組み直しが急務です。土は3カ国全てが協力しないと抑えられないので、もし反転するならそうなると思います。

 墺にとって狙うべきはトリエステセルビアの回復ですが、土と関係回復する、または対伊の仏と組むならトリエステ、露伊と関係回復するならセルビアとなります。正直どちらも欲しいのですが、個人的には重要性の高さはセルビアだと思います。バルカン全体に影響力を持つセルビアの確保は、墺にとって重要な外交カードの確保と言い換えられると思います。しかし生き残りそのものを考えれば、今年度はトリエステの奪還に留めて墺土同盟の流れにしておく手ももちろんあります。盤面上、まだ生存の目は残ってはいそうです。

 土は現在安定こそしていますが、これをさらに確固としたものとしたいところ。今の内に安定させて、現在の土領に手を出させないようにしたいです。露と組んでいく中で、やはりセヴァストポリ海軍が気になります。ルーマニアを守るという役割はあるものの、逆に言えばそれが無くなった時これをどう扱うかは頭の痛い問題となり得ます。スリングショット・ジャガーノートと同じく解体させていれば、土にとって安定したジャガーノートができたのですが。今の所露土で利益を得ているのは土だけなので、露に譲歩する必要があるものの、露が既に大きいので交渉そのものは、利益を得ようとすると比較的難航します。逆に墺と組み直そうと譲歩案を出せば、少なくとも表面上は乗ってくるのでとても交渉は捗るでしょう。伊は土の海軍数的にとても和解できる状況に無いので、仏との交渉でしっかり挟撃体制を維持しつつ、地中海から来年度までには利益をもぎ取りたいところです。露をどうしたいかは、土の英独交渉に影響します。もし北欧で露を抑えさせに行きたいなら交渉の仲介を、逆に露を止めさせないなら組まないよう脳裏の片隅に刷り込むような外交が良いでしょう。全体的に外交として、裏から蜘蛛の糸を張り巡らせるような、入念な外交が必要かと思います。

 

「争いは、近いレベルでなければ生じない」という言葉があったように思います。ディプロマシーの交渉でも同じです。ただしレベルと一口に言っても、交渉面で上位と言えるのは場合によります。軍の数が少なくても、他国にとって勝利の為にどうしても必要な同盟ならば協力者=弱国の方が交渉上有利になります。逆に、そこまで同盟を必要としないならば傀儡政権=強国が交渉上有利です。この認識がお互いに有利と思ってぶつかると同盟は組めず、またお互いに不利と思って交渉に臨むと非常にスムーズに進みます。しかし有利な方が利益を得やすいので、交渉とはかくも難しいものですね。