適温のブログ

必要になった時のみ運用

各国解説⑦トルコ

最後はトルコです。自分としては最も苦手ですね…。

 

1.概要

アナトリア半島を本土とする、東欧の国家。陸路が2つの海で分断されかかっており、防衛には有利に働くが攻め込むルートにも難儀する。攻防を成立させるために、ある程度海軍が必要となる。一度拡大してしまえば、囲まれても防衛は容易で、長い時間耐えられるので、その間に外交を通したり西欧側で事態が進行すればまた成長の目が出てくる。

コンスタンティノープルアンカラ黒海が分断しており、またその黒海は本土2拠点と土の第4補給地ブルガリアに隣接する。加えて、地中海側もエーゲ海が本土2拠点とブルガリアに隣接するため、この2海域の取得がとても重要となる。海域という観点では伊の領海であるイオニア海に隣接しており、そのため伊はマップ上遠く見えるが隣国である。しかし土は初期配置上地中海側に海軍を持たず、そのため最初は背中がガラ空きである。移動ルートの狭さから序盤の選択肢が少なく、結果序盤の外交カードが他国より少ない。しかし行軍力には強いものがあるので、そこで勝負していく。

 

2.周辺地域(重要度順)

黒海(Bla:土露)、アルメニア(Arm:土露)…露との緩衝地帯。Blaの重要度は接している本土数から言っても土の方が重要性が高い。露からの侵攻ルートを防ぎやすいアドバンテージをむざむざ渡す可能性が出てしまうため、安易には空白化も難しい。侵入された場合に02春前にCon海軍増設からのBla奪取も十分に視野に入る。もちろん、伊が地中海側(Aeg、Eas)に来ていると色々厳しくなるが。Armには陸軍に入られると厳しくなる。たまに露海軍がBla SOを躱してArmに入るのを見かけるが、Ankにしかアクセスできないためそこまで強くはない。

エーゲ海(Aeg:土)、東地中海(Eas:土)、シリア(Syr)…土の背後の領土。Eas自体に入られてもそこまで痛手では無いが、Syrに陸軍輸送や、特にAegに入られるとより厳しくなる。主に入ってくるのは伊であるが、伊が全力西進などで墺が対土の場合は墺が入ろうとする場合もある。Bluが取得できていない、あるいは1増設を陸軍にしたなどでなければ、墺伊連携がなければ入られづらいが、逆に入られれば滅亡を覚悟する必要がある。

ブルガリア(Blu:土)、ギリシャ(Gre:墺土伊)、ルーマニア(Rum:露墺土)、セルビア(Ser:墺)…土の第4補給地Bluと、第5補給地候補の数々。BulとConが1陸軍ずつしか通れないので、バルカン半島に兵を押し出すのに微妙に難儀する。初年度2増設あれば土にとってはかなりの成長速度と言えるが、周辺国の敵対心を煽る必要もないので、周囲の状況と相談して決めよう。ただし成長速度は西欧に負けたくはないので、そのあたり組む国としっかり打ち合わせしておく必要があるだろう。

 

3.各国との関係

英…対露で協力できるが、お互い対称国を挟んでおり遠すぎるため中々外交が通りにくい。お互いが端国なのも相まって、あまり大きくなられると妨害もできず困るのも一因か。英独を仲良くさせると、伊を西へ引っ張ってくれやすいので、親独を強く推すと伊土争わず済みやすい。

仏…お互い成長すれば対伊挟撃もできるのだが、その場合どちらも海軍で対伊することになり、その後の衝突は想像に難くない。また仏の対称国の露と土の関係によって外交の通りが変わる。ジャガーノートでも有効でいられる唯一の国なので、その場合対称国の独より仲良くなる場合もある。ただしやはりそのうち地中海で衝突しうることに変わりはない。

独…対称国。お互いが陸軍国/海軍国で住み分け可能なのはやはり相性かもしれない。ただしどちらも英墺ほど専門的では無いところも似通っている。土は外交面がとても乏しいので、特に東欧内での同盟関係については協力を仰ごう。大事な点として独にとって良い土でなければ、墺伊同盟などを独が推してしまうかもしれない。独の期待する土の方向性を聞いて、それに向かうようにしたい。独土間で上手く行かなさそうなら、ジャガーノートを選択するという考え方も可能である(が、ジャガーノートが成立するかは別の話である)。

伊…お互いに地中海に隣接する領海を持つ海軍国のため、マップ上だと隣り合っていないが敵対は非常にしやすい。しかも、初年度一度でもBla SOすれば地中海では一方的に伊側から侵攻が可能である。そのため最初は腰の低い外交となりやすい。だが墺伊間も摩擦が多いので、対墺で協力関係になる事もままある。Aegを守るために、地中海側に1海軍を置く権利くらいは外交で勝ち取っておきたい。

露…組む際にBlaで非常に悩む相手。ジャガーノートは土有利と言われたり露有利と言われたり、どちらも言われるくらいには均衡がとりやすいが、とにもかくにも最初の信用が難しい。Bla SOし続けながら同盟する道もあるが、Blaからの支援ができずあまり攻撃力が上がらない。伊が対墺に来ず、墺の行軍が上手いならば露土同盟でも弾かれてしまう。なんともジレンマの多い相手である。

墺…陸海分業で組める相手。ただし墺には伊も海軍国として選択肢にあるため、露より組んでくれるかというと分からない。土の対伊時は墺の協力無くしては地中海が進みづらいので、組まずして対伊は難しく、組めないならば組めるまで守って待つというのも選択肢だろう。その間に墺側が成長して安心できる状況になれば、土とも組んでくれるかもしれない。

 

4.初手戦術

ある程度は頻度順に記載

土は初手パターンが非常に乏しい

①ロシアンディフェンス

Con-Bul、Ank-Bla、Smy-Con

黒海を守りながら、陸軍を西へと押し出す。汎用的な初手であり、逆にこれ以外を選択しづらい。またGre取得など初年度2増設を狙いやすい初手でもある。対露・対墺・対伊どれにも派生ができる。(対伊時はConかSmyに海軍増設のこと)

②ロシアンアタック

Con-Bul、Ank-Bla、Smy-Arm

ロシアンディフェンスから、Smy軍の行き先をArmにしてSevを狙う。Blaに入れれば支援ができたり、また輸送でRumを急襲するなんて事も可能。Blaに入れない限りは2増設は難しい。

③ターキッシュ・ヘッジホッグ

Con-Bul、Ank-Con、Smy-Arm

ロシアンアタックから、海軍はBlaを取りに行かずConに行く。元々露の北方オープニングに対しBla周辺の拠点全てを狙うオープニングとして開発されたが、近年ではジャガーノート亜種のブラックシー・エクスチェンジに利用される。秋にCon-Aeg、Arm-Sev、露のBla-Conにより海軍を地中海へ押し出しながらSevとConを交換する。Sevを取得した土陸軍はまるで露陸軍のように、Conを取得した露海軍は土海軍のように扱い、露海軍は土海軍に続き地中海へ押し出していく。露土の信用が鍵となる。また、Arm SOで対墺する場合にも利用可能。

④ボスポラスオープニング

Con-Bul、Ank-Con、Smy-Ank

ターキッシュヘッジホッグからSmy-Ankに変更し露領には行かないようにする。Bla不可侵の通常版ジャガーノートで使える。

パスティス定石

Con-Bul、Ank-Bla、Smy H(or Smy-Ank)

スリングショット・ジャガーノート向けの行軍になる。その場合はArmに来た露海軍をSmy-ArmをBlaで支援して解体となる。ただし、土のBla入りを露が嫌う場合は、Ank Hとなるかもしれない(その場合、Ank海軍が地中海に出るのが1手遅れる)。ジャガーノートで無い場合は秋、Smy-Syrとするシリア定石に派生できる。状況を見てから海軍の増設位置を選択できるのがシリア定石の強み。

⑥ロシアの狂騒

Con H、Ank-Bla、Smy-Arm

ロシアンアタックよりも親墺な初手。Bulの侵入を遅らせて墺のSerやGreの取得率を高める。正直、そこまでする必要があるかは疑問だが、対土包囲で潰されるよりは…という選択肢。

 

5.増設方針

どこと組み、どこを攻めるかで増設は大きく変わってくるが、最初の増設は海軍にしたい。BlaとAegに船を浮かべておけば支援しやすいだけでなく、輸送により狭い陸路の進行ルートを多彩にできるし、一気に陸軍が移動できるようになる。土がBlaとAegを取得するというのは、一方的に支援や輸送が出せるという事で、このために初手海軍増設が推奨される。その後は墺土同盟で対伊を進めるなら海軍中心、墺土同盟で対露中心や伊土同盟などなら陸軍が中心となるだろう。ジャガーノート時など対墺は陸海をバランス良く増やすなど、組む相手から進行ルートを決めそれに合わせて増やそう。伊が土の海軍増設を1増さえも拒否するケースもあるが、それで伊土組むのは地中海側を全く防衛できず厳しい。スリングショット・ジャガーノートなどでBlaが空いてAegにしか船を浮かべなくて良いなどなら海軍増設無しもあり得るかもしれないが、そういう伊なら同盟相手としては諦めても良いかもしれない。

 

6.将来展望

GSLは英同様遠いため、どこで超えるかは考えておく必要がある。対称国である独が大きい場合は、Mun・Berは狙いにくくなる。この場合、露側のStp(厳しい)か仏側のMar・Spa(・Por)辺りが選択肢になるだろう。墺滅亡後で英が対称国に成り変わった場合などは、Mun・Berが選択肢に上がる。

基本、序盤は対土包囲(特に墺露伊)を避ければ良いが、仏と似て外交面での交渉力はそう強くはない。しかも初手の選択肢が少ないことが拍車をかける。外交をどれだけ頑張っても包囲になる可能性は低くない。包囲の可能性が高い場合は防御力の高い行軍(ロシアンディフェンスなど)を心がけ、西欧は動かし東欧を停滞させるなど、他国を焦らせて組み替えを図ると良い。ディプロマシーにおける防御は外交劣勢時非常に重要である。

対称国は独であるが、独にとって土は対露くらいしか協力できない、あるいは独の対仏時伊の西進を阻むので滅亡しても構わない、もしくは成長すると墺が滅亡しても止められず西欧より東欧の進行が早まってしまう…などと、なまじ独が東欧の墺伊とも仲が良いために、協力してくれない場合もある。独の協力を得たいならば、時に成長を遅らせたり、裏切りたくない場面で裏切るなど、独にとって理想の土を演じる必要もあるかもしれない。一応、一般的には独は土>伊>墺で考えてくれるだろうが、そうでないケースも多いということである。そうなった時こそ、ジャガーノート専守防衛の選択肢の選び時と言える。

同盟は墺土同盟、対墺包囲(露土伊)、ジャガーノート(露土)、伊土同盟辺りが選択肢ではあるが、どれもシビアになると思った方が良い。組んでくれるならなんでもアリくらいに幅広く考えておこう。でないと早期滅亡もあり得る。

墺土同盟…基本的には土が対伊して墺が対露する形になる。陸軍国同士と海軍国同士がぶつかり、それにお互いが協力する形である。土の協力は墺海軍やTri陸軍が、墺の協力はBla海軍やArm・Bul陸軍が中心となるだろう。拠点振り分けは墺がSer・Rum・Ven・露領など、土がBul・Gre・Tun・Napなどになる。墺は中央国なので、拠点数への配慮に注意が必要となる。また、伊領であるIon・Tysの突破には苦労するので、時間を稼がれぬよう注意。なるべくバルカン半島内の陸軍を減らしたほうが墺側が安心するので、墺と組むにはその辺りも配慮が必要な場合がある。輸送も上手く使って読み合いを有利に進めたい。組めそうだからといって初年度Greを取りに行くのは少し強欲であるだろう。(Serに2陸軍が隣接してしまう上、対露行軍を取れないため) もし、土が対露で墺が対伊なら、土は陸軍を増設できる。この場合は盤面端をより多く取得できるためさらに硬くなる。墺に海軍増設される危険もあるがよっぽど対伊より進みも早ければ強くなれるので、許されるならばありありな選択肢だろう。

対墺包囲(露土伊)…これの成立は怪しい。というのは、対墺完遂前後に露伊挟撃の危険性が高い。かといって土に特段多く拠点が貰える感じもなく、また長蛇陣のように細く長くなりがち。拠点割り振り案は、伊露の要請なども加味すれば土はBul・Ser・Budの6、伊はTun・Gre・Triの6、露南軍はRum・Vieで5などだろう。露Vieと土Rumを交換、また伊Greと土Serを交換できれば少し安定するが、海軍をその後の対仏対土のため増やしておきたい伊が海路のGreを渡すかどうかは非常に微妙である。姿勢だけ見せて完遂前に親墺反転もアリだが、その場合は墺に敵対されないよう拠点数の調整が急務になるだろう。土側有利のまま進められるとは思えない。もしくは伊露離間を外交で進めて完遂直前にどちらか一方を押し込んで拠点数有利を作っておくのが良いかもしれない。

ジャガーノート(露土)…ジャガーノートである必要は無いが、これで記載。ジャガーノートをすると独は親英対露に回りやすいので注意、対称国で大切にして欲しいなら上手く事(行軍)を運ぶか、対称国を仏などに乗り換えるしかない。ジャガーノートは基本形、ブラックシーエクスチェンジ、スリングショットの3種類が中心だが、どれもどちらか一方、あるいは両方に裏切りやすい要素があり、一筋縄では続かない。続けるにしても裏切るにしても、細やかな外交が求められる。基本形だと土Ank-Conに対し露Sev HをSev-Blaとされやすい。ブラックシーエクスチェンジは露Sev-Blaに土Smy-Armで取りに行ったらその後露Bla-Conを弾いたりArm-Sevが弾かれる、あるいは露にBlaに居座られたり、また初年度は乗り越えてもSev陸軍をMosに進めるとかCon海軍がBulを突いたりなど多くの裏切りパターンがある。スリングショットは土がBlaから地中海に軍を出さないケースが考えられる。初手を乗り越えれば良いわけでは無い、と心得よう。裏切りの怖いジャガーノートではなく露土同盟で行くなら、Blaは毎回合意SOでも構わない。スピードの低下は招くがジャガーノートより安定した同盟ができるだろう。

伊土同盟…お互いにあまり選びづらい選択肢。ではあるが、露のプレイヤーが信用できない場合などに、対墺包囲からの派生で選ぶこともあるだろう。基本的に地中海には1海軍が伊側にとって限度なため、最初の1増設以外はほぼ陸軍となるだろう。お互いに強くなってきたら地中海の2海軍目がひょっとして許されるかもしれないが、その場合常に2軍合意SOの約束などになるかもしれない。北に陸軍で進み、北欧に行けないとそのうち独領に行き当たる。こうなれば、組んでくれるかは別として英を対称国に切り替える他ない。

 

7.その他

とにかく「外交でなんとかする」が通じないので、行軍力が要求される。拡大しても防御を常に見据え、攻められる状況を待つ。動かざること山の如し…が時に強く求められる国。といっても外交が不要ではない。ちゃんと協力国を得ておくこと。防御時に協力してくれるようになる国が出てくるはずだ。